先日、「あんしん着物パールトーン」でおなじみの株式会社パールトーンの方がご来社下さり、パールトーン加工についての詳しい説明会を開いてくださいました。
パールトーン加工とは、主に着物、当社では大衣や袈裟を中心とした正絹の商品に撥水・撥油加工を施す加工の事です。
撥水・撥油をして汚れを防止するための加工だということはぼんやりとは知っていましたが、実際に説明を受けてみて、びっくりしました。
パールトーン加工がされた着物にお醤油をこぼして・・・
水たまりのように弾いていますね。
これがパールトーン加工無しだと、生地がお醤油を吸収してしまい、すぐにしみになってしまうそうです。
この醤油をタオルで吸い取り・・・
水でふき取ると・・・
ほとんどこぼした個所がわからないほどになります。
パールトーン加工がされていない正絹(シルク100%)に水は厳禁ですが、水溶性の汚れであれば、パールトーン加工がされている場合、ある程度水でお手入れが可能なのだそうです。
また、縮緬などは水に濡れることによりかなり縮みが発生しますが、パールトーン加工がされていると、ほとんど縮みませんでした。
中央のみパールトン加工済の生地です。
また、パールトーン加工は、生地の表面をコーティングするのではなく、織糸の1本1本に加工を施す手法なので、通気性もよく、風合いもほとんど変わらないということでした。
これからは汗をかきやすい季節ですので、汗しみ予防にもよさそうですね。
そしてよくあるのが、蝋燭の蝋が付いてしまった!という場合。
ちょっと見にくいですが、パールトーン加工がされている中央部分の蝋は、しみこまずぷくっと盛り上がった状態に。
未加工の部分は染み込んでしまっています。
最近は実用性の面からどうしても化繊の衣や御袈裟のほうが重宝される部分もありますが、パールトーン加工があれば、正絹物でも日常的に使えるのではないかなと思います。
大切な衣や御袈裟に、また打敷や幕などに、パールトーン加工、いかがでしょうか?